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種類が豊富な育毛剤!主な成分を詳しく解説!

2023.02.28

監修者紹介

佐藤明男

佐藤明男
東京メモリアルクリニック理事長

さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 日本形成外科学会専攻医, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。

育毛に関心があるものの「育毛剤は種類が多くて何を選べば良いのかわからない」「肌が弱いので育毛剤の使用に不安がある」と悩む人もいるのではないでしょうか。

今回は育毛剤の選び方や配合されている成分について紹介していきます。育毛剤の使用を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

育毛剤を検討する上での注意事項

(出典:(1)Male Pattern Baldness and Hair Growth Promoters)

育毛剤は非常に種類が豊富です。コスト面や使用感などもさまざまなので、
継続して使うために以下の項目を参考にして選んでみてください。

・継続して購入できる価格のもの
・使いやすいもの
・低刺激性のもの
・いつでも購入できるもの
・成分を確認

継続して購入できる価格のもの

育毛剤は無理なく購入し続けられる価格のものを選びましょう。個人差はありますが育毛剤の効果は早くても3ヵ月はかかるので、定期的な購入が必要です。

自身の予算とも相談しながら、半年をめどに無理なく購入できるものが良いと思います
メーカーによっては、まとめ買いや定期購入により割引を実施していることもあります。購入を考える育毛剤がキャンペーンを行っているかどうか確認してみましょう。

なお高価の育毛剤の多くは多様な成分が配合されているため、より高い育毛効果が期待できます。しかし価格と内容のバランスを考慮し、無理のない範囲で選ぶことが大切です

使いやすいもの

育毛剤は使いやすいものを選びましょう。育毛剤のタイプは、大きく分けて3タイプがあります。

・エアゾールタイプ
・ミストタイプ
・ノズルタイプ

エアゾールタイプは頭皮に吹きかけるだけなので、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

霧状に塗布できるミストタイプは、毛量が多い人には使いにくいですが、広範囲に使用できます。

ノズルタイプは、頭皮にピンポイントで塗布するタイプです。上手に使わないと頭皮から顔に流れてしまいますが、毛量に関係なく使用できるのがメリットです。

低刺激性のもの

頭皮への影響を考え、低刺激の育毛剤を選びましょう。育毛剤によっては、香料や添加物が多く含まれているものもあります。

一般的に男女兼用や女性用の育毛剤は保湿力が高く、低刺激で無理なく使用できます。男性が薄毛対策をする際、女性用育毛剤を使用しても問題ありません

またアルコール (エタノール) 成分は、血行促進や殺菌効果が期待できますが、乾燥肌や敏感肌の人にとっては刺激が強い可能性があるので注意が必要です。

肌が弱く育毛剤の使用に不安が残る人は、できるだけ刺激成分が少ない育毛剤を選ぶことを推奨します。

いつでも購入できるもの

育毛剤は継続的に使用することで効果が期待できるものなので、いつでも購入できるものを選びましょう。育毛剤を切らしたときにすぐに購入できないと、十分な育毛効果を得られにくくなります。

育毛剤は薬局やドラッグストアなどの実店舗のほか、通販サイトや医療機関でも購入できます。市販の育毛剤は全国の店舗で購入可能なので、比較的継続利用しやすいでしょう。

もし使用する育毛剤の購入が難しくなった場合は、通販サイトの利用がおすすめです。通販サイトなら、店舗と同じ育毛剤を取り扱っている可能性があります。

成分を確認

育毛剤を選ぶ際は成分にも注目しましょう。育毛剤によって成分は異なり、自分の頭皮環境に合ったものを選ぶ必要があります。

育毛剤には、「有効成分」「その他成分」があります。有効成分は、厚生労働省に効果が認められて登録されているもので信頼度が高いです。

その他成分であっても、研究によって効果が実証されているものがあります。そのためどのような成分があるのか、事前に調べておくことが重要です。

基本的に育毛剤に記載されている成分は、書かれている順番に成分が多く含まれています。重視する成分がどれぐらい含まれているのか参考にしてみましょう。

より高い効果を得られる育毛剤を求める場合は、医療機関の利用がおすすめです。医療機関を受診すれば、自分にとっての最適な育毛剤を処方してもらえます。

知っておきたい育毛剤の成分は?

育毛剤に含まれている成分は、大きく分けると以下の3種類です。

・頭皮の血行を改善する成分
・毛母細胞を活性化させる成分
・頭皮トラブルを防ぐ成分

それぞれの成分について解説します。

頭皮の血行を改善する成分

(出典:(2)Male Pattern Baldness and Hair Growth Promoters,(3)「アルギニンによる血管拡張機能増強効果に対する 抗酸化ビタミンの影響に関する研究,(4)Ritsuko Ehama 「Infuluence of Scalp Problem on Physical Properties of Hairand Their Prevention by Plant Extracts,(5)「NaoakiHarada 「Administration of capsaicin and isoflavone promotes hairgrowth by increasing insulin-like growth factor-I production in mice and in humans withalopecia」)

頭皮の血行を改善する成分が含まれる育毛剤には、毛細血管を広げて頭皮に栄養が行き渡らせる働きがあります。

代表的な成分は以下の通りです。

・アルギニン
・イチョウ葉エキス
・カプサイシン
・サイトカイン
・ニコチン酸アミド

ストレスを抱えている人や睡眠不足の人は、血行不良を引き起こしやすい傾向にあるので、生活習慣の改善が必要な人におすすめの成分です。

ただし育毛剤の使用だけで完全に頭皮の血行が改善されることは少ないので、日ごろの生活習慣の改善に努めましょう。

毛母細胞を活性化させる成分

(出典:(6)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版,(7)高速液体クロマトグラフィーによるセンブリ配合育毛剤中のスウェルチアマリンの定量,(8)Male Pattern Baldness and Hair Growth Promoters)

毛母細胞を活性化させる代表的な成分には、以下が挙げられます。

・塩化カルプロニウム
・アデノシン
・t-フラバノン
・センブリエキスなど

毛母細胞を活性化させる成分が配合された育毛剤は、衰えた乳毛頭や毛母細胞に働きかけます。毛の成長や毛の生成をサポートする働きを持つため、加齢による薄毛に悩まされている人におすすめの成分です。

育毛剤と併せて使いたいもの

育毛剤と併せて使用することで、頭皮環境のケアもできるものがあります。

・薬用シャンプー
・サプリメント
・発毛剤

薬用シャンプー

(出典:(9)洗浄料とその作用,(10)頭皮リンセツ(鱗屑)及びそうよう(掻痒)に対する殺菌剤ジンクピリチオンのシャンプー又はリンスヘの配合効果,(11)フケ症に対する0.75%硝酸ミコナゾール配合シャンプーの有用性の検討)

薬用シャンプーは育毛剤と併用することで、より頭皮環境を整えられます。薬用シャンプーも育毛剤同様に成分が異なるので、それぞれの特徴を押さえておきましょう。

「高級アルコール系」は洗浄力に優れており、頭皮の汚れをしっかり落とせるのが特徴です。しかし必要な皮脂まで洗い落としてて、頭皮環境をかえって悪化させてしまう場合もあります。

頭皮がかゆい場合は、「グリチルリチン酸ジカリウム」などの炎症成分が含まれるものが最適です。

またフケの多さに悩んでいる人は、「ジンクピリチオン」「ミコナゾール硝酸塩」など抗菌殺菌系の薬用シャンプーがおすすめです。

サプリメント

サプリメントを服用することで、育毛に必要な栄養を補えます。栄養が頭皮に行き届かない状態で育毛剤を使用すると十分な効果が得られないので、サプリメントの併用は有用です。

特に「カプサイシン」「海藻エキス」が配合されたサプリメントは、頭皮の血行促進の効果が期待できます。

なお栄養を補う以外に睡眠リズムを整えるサプリメントもあります。こちらはストレスが原因で薄毛になってしまう人におすすめです。

ただしサプリメントはあくまでも栄養を補うためのものです。そのためサプリメントと併せて栄養バランスのよい食事をする必要があります。

発毛剤

(出典:(12)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版,(13)ミノキシジルの発毛作用について)

発毛剤は育毛剤と併せて使用することで、薄毛の改善に繋がります。発毛剤には頭皮環境を改善する効果が期待できるからです。

発毛剤には内服薬と外用薬があります。内服薬の「フィナステリド」は、主にAGA (男性型脱毛症) の原因であるジヒドロテストステロンの生成を抑制するのが特徴です。

一方外用薬である「ミノキシジル」は、発毛を促す働きを持っています。

ただし発毛剤は、人によって頭痛やめまいなどの副作用が生じる可能性があります。服用の際は必ず医師へ相談しましょう。

育毛剤は種類と成分を知り正しく選ぼう

育毛剤といっても、その種類や成分はさまざまです。一般的に高い効果が得られるといわれる育毛剤であっても、刺激が強い、コストがかかるといった場合は継続使用が難しいこともあります。

そのためそれぞれの育毛剤の特徴と価格のバランスを考慮して選ぶことが大切です。頭皮環境に合ったものを選び、継続して頭皮ケアをしていきましょう。

文献

1). 2).8).油化学/44 巻 (1995) 4 号
3).西南女学院大学紀要 Vol.21, 2017
4).J. Son. Cosmet. Chem. Jpn. 52(1) : 16-23
5).成長ホルモンとIGFの研究 17巻5号1 2007年10月 P.408〜415
6).12).日皮会誌:127(13),2763-2777,2017(平成 29) P.2763~2777
7).衛生化学/35 巻 (1989) 5 号
9).日本香粧品学会誌 Vol. 42, No. 4, pp. 270–279 (2018)
10).油化学 27巻3号 P.169~171
11).日本医真菌学会雑誌/38 巻 (1997) 1 号 / P. 87-97
13). 日本薬理学雑誌/119 巻 (2002) 3 号

監修者紹介

佐藤明男

佐藤明男
東京メモリアルクリニック理事長

■ プロフィール
1957年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。
1998年、厚生省(当時) 高度先進医療推進事業でオックスフォード大学医学部客員研究員として英国に国費留学し、帰国後、東京メモリアルクリニック・平山副院長を経て院長に就任。医療法人TMC理事長を兼任。これまで10,000人を超えるAGA(男性型脱毛症)患者を治療してきた実績を持つ、頭髪治療の第一人者。
■論文・出版情報
2007年 『医療的育毛革命』
2009年 『なぜグリーン車にはハゲが多いのか』

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