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髪によい栄養素・ビタミンなどを紹介!その効果や食材、注意点について

2024.10.25

監修者紹介

佐藤明男

佐藤明男
東京メモリアルクリニック理事長

さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 日本形成外科学会専攻医, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。

「近頃髪に元気が無い」「髪にいい栄養にはどんなものがあるの?」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。髪は摂取した栄養素をもとに作られるため、髪によい食べ物を意識的に摂れば、薄毛をはじめとした髪の悩みの解消に役立ちます。

今回は髪によい栄養素を紹介します。髪のためになるべく避けたい食事や、栄養以外の薄毛ケア方法もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

髪の育毛や薄毛によいビタミンなどの栄養素は?

(出典:(1)e-ヘルスネット たんぱく質)
(出典:(2)ビタミンAおよび動物蛋白質摂取量に影響される毛髪中シスチン含量)
(出典:(3)食品表示基準における栄養機能食品とは)

髪によい栄養素には、主に以下のようなものがあります。

  • タンパク質:髪のもととなる
  • ビタミンA・ビタミンB・ビタミンE・亜鉛:髪の育成をサポートする

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、発毛に役立つと考えられます。

なお古くから海藻は髪の毛によいといわれています。この噂の真偽を確かめたい方は、以下のリンク先記事を参考にしてみてください。

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海藻と薄毛にまつわる噂を検証!海藻の栄養や日常でできるヘアケアを解説

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ビタミンA・B・Eについて

まずは髪の育成をサポートする代表的な栄養素である、ビタミンA・ビタミンB・ビタミンEについて解説します。

ビタミンAについて

(出典:(4)食品表示基準における栄養機能食品とは)
(出典:(5)日本人の食事摂取基準 (2020年版) )
(出典:(6)食品成分ランキング)

ビタミンA (レチノイド) は皮膚や粘膜の健康維持をサポートする栄養素です。髪の健康を守る他、骨や神経、免疫系の機能を健やかに保つのに役立ちます。

ビタミンAが不足すると皮膚や髪の健康維持にトラブルが発生しがちです。一方で過剰摂取時には頭痛が起こることがあります。ただし一般的な食事で過剰摂取が起こる可能性は低く、大量のレバーやサプリメントを摂取しない限り、過剰摂取の心配をする必要はないでしょう。

ビタミンAの摂取推奨量は成人1日あたり650~900μgです。

ビタミンAを多く含む食品 100gあたりの含有量 (μg) ※レチノール換算
豚のスモークレバー 17,000
鶏のレバー (生) 14,000
豚のレバー (生) 13,000
あん肝 (生) 8,300
ヤツメウナギ (生) 8,200
焼き海苔 2,083
ウナギの蒲焼 1,500
とうがらし 1,167
にんじん 917
しそ 917

なおすべての栄養ランキングに共通していえることですが、分量を摂取しやすい食材・摂取しにくい食材がある点には注意が必要です。たとえば焼き海苔やしその100gより、レバーやにんじんの100gの方が摂取しやすいため、効率的に必要な栄養を補えます。

ビタミンBについて

(出典:(7)食品表示基準における栄養機能食品とは)
(出典:(8)日本人の食事摂取基準 (2020年版) )
(出典:(9)ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量)
(出典:(10)食品成分ランキング)

ビタミンBにはいくつか種類があり、とくにビタミンB2とビタミンB6は髪にとって重要な栄養素です。

ビタミンB2は代謝に関わる成分で、皮膚や粘膜の健康維持をサポートします。

不足すると口内炎や皮膚炎を発症する他、毛母細胞をはじめとした細胞の成長に悪影響を与える恐れがあります。一方ビタミンB2の過剰摂取による健康被害は報告されていません。

ビタミンB2の摂取推奨量は成人1日あたり1.3mg程度です。

ビタミンB2を多く含む食品 100gあたりの含有量 (mg)
豚のスモークレバー 5.17
豚レバー 3.60
牛レバー 3.00
干し海苔 2.68
粉末味噌 2.58
焼き海苔 2.33

ビタミンB6は補酵素としてタンパク質の代謝をサポートしています。毛髪や皮膚、赤血球などの生成に関わり、不足すると皮膚炎やリンパ球減少症をまねく可能性があります。

また過剰摂取時には感覚性ニューロパチーを発症する恐れがあるため、注意が必要です。

ビタミンB6の摂取推奨量は成人1日あたり1.1~1.4mgです。

ビタミンB6を多く含む食品 100gあたりの含有量 (mg)
とうがらし 3.81
米ぬか 3.27
にんにく 1.80
パセリ 1.47
小麦胚芽 1.24

ビタミンEについて

(出典:(11)食品表示基準における栄養機能食品とは)
(出典:(12)日本人の食事摂取基準 (2020年版) )
(出典:(13)食品成分ランキング)

ビタミンE (トコフェロール) は抗酸化作用をもつため、髪や皮膚のエイジングケアに役立ちます。

ビタミンEが不足すると腎障害や溶血性貧血、不妊になる可能性があります。反対に過剰摂取すると出血しやすくなりますが、通常の食生活では欠乏症や過剰症になることはほとんどないでしょう。

成人の1日あたりのビタミンE摂取推奨量は、6.0~6.5mgです。

ビタミンEを多く含む食品 100gあたりの含有量 (mg)
煎茶 65.0
ひまわり油 (ミッドオレイック) 39.0
アーモンド 30.0
とうがらし 30.0
抹茶 28.0
ぶどう油 28.0
小麦胚芽 28.0

タンパク質について

(出典:(14)ホソカワミクロンが提唱する内外育毛ケア理論)
(出典:(15)日本人の食事摂取基準 (2020年版) )
(出典:(16)三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量)
(出典:(17)食品成分ランキング)

タンパク質は毛髪をはじめとした体の主要な構成成分であり、酵素やホルモンを生み出して代謝をコントロールします。またビタミンや神経伝達物質などの働きにも作用します。

タンパク質が不足すると髪のみならず全身の健康を損なう恐れがあるため、継続的に摂取し続けることが重要です。

成人の1日あたりのタンパク質摂取推奨量は、50~65gです。一般的に肉や魚、大豆製品などに多く含まれる傾向があります。

タンパク質を多く含む食品 100gあたりの含有量 (g)
フカヒレ 83.9
煮干し 80.0
大豆 79.1
かつお節 77.1

亜鉛について

(出典:(18)食品表示基準における栄養機能食品とは)
(出典:(19)日本人の食事摂取基準 (2020年版) )
(出典:(20)亜鉛の働きと1日の摂取量)
(出典:(21)食品成分ランキング)

亜鉛はタンパク質の代謝をサポートする栄養素です。不足すると毛髪をはじめとした体の成長に悪影響を与え、免疫機能障害や皮膚炎、味覚障害などを引き起こします。

過剰摂取すると貧血や銅欠乏、胃の不調が起こりますが、通常の食生活においては過剰摂取を心配する必要はありません。

亜鉛の1日の摂取推奨量は、成人の場合8~10mgです。

亜鉛を多く含む食品 100gあたりの含有量 (mg)
小麦胚芽 16.0
生牡蠣 14.0
パプリカ粉 10.0
からすみ 9.3
ビーフジャーキー 8.8
豚のスモークレバー 8.7

イソフラボンについて

(出典:(22)e-ヘルスネット 抗酸化物質)
(出典:(23)大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A)
(出典:(24) 大豆製品・イソフラボン摂取量と前立腺がんとの関連について)
(出典:(25)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版)

イソフラボンは抗酸化力をもつポリフェノールの一種で、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造と働きをもつ物質です。男性ホルモンのテストステロン濃度を抑え、薄毛の原因となるジヒドロテストステロン (DHT) の生成を抑える効果が期待できます。

イソフラボンは大豆製品全般に含まれています。摂取の上限値は大豆イソフラボンアグリコン (※) 換算で、1日70~75mgです。

※大豆イソフラボンアグリコンとは大豆イソフラボンから糖が分離した構造体です。

イソフラボンを多く含む食品 100gあたりの含有量 (mg) ※アグリコン換算量 (mg)
大豆 161.4~352.0 ※平均247.8 88.3~207.7 ※平均140.4
木綿豆腐 32.0~56.0 ※平均40.0 18.0~32.0 ※平均23
絹ごし豆腐 26.0~61.0 ※平均38.0 15.0~35.0 ※平均21
充填豆腐 20.0~52.0 ※平均37.0 12.0~29.0 ※平均21
みそ 19.6~92.6 ※平均59.1 14.3~81.4 ※平均49.7
しょうゆ 0.7~1.4 ※平均1.0 0.7~1.2 ※平均0.9

ヨウ素について

(出典:(26)日本人の食事摂取基準 (2020年版) )
(出典:(27)微量元素の働きと1日の摂取量)
(出典:(28)食品成分ランキング)

ヨウ素は甲状腺ホルモンを構成する物質で、毛髪をはじめとした人体の成長や発達、生殖機能などに深く関わります。

ヨウ素が不足すると甲状腺機能が低下し、発育不全や心身の機能障害を引き起こします。しかし日本人は日常的に海藻類を食事に取り入れているため、不足するケースは少ないでしょう。また摂取不足と過剰摂取のどちらの場合も、甲状腺腫の原因になる可能性があるといわれています。

なおヨウ素は前出のイソフラボンと不可逆的に結合する性質があります。大豆製品の過剰摂取でヨウ素の吸収が妨げられる可能性がある点には、注意が必要です。

成人のヨウ素摂取推奨量は1日あたり130μgです。

ヨウ素を多く含む食品 100gあたりの含有量 (μg)
刻み昆布 230,000
乾燥ひじき 45,000
昆布茶 26,000
佃煮 11,000
乾燥わかめ 10,000
松前漬け 10,000

コラーゲンについて

(出典:(29)ビタミンCとコラーゲンの生成))
(出典:(30)17 型コラーゲン産生促進効果を有するPLGA ナノ粒子の新型育毛剤への応用)
(出典:(31)素材情報データベース コラーゲン)

コラーゲンはタンパク質の一種で、骨や皮、腱などを結合する組織の主成分です。複数の種類があり、とくに17型コラーゲンは毛包幹細胞の減少メカニズムに深く関わっているとされます。

なおコラーゲンを多く含む食品やサプリメントを経口摂取したり直接肌に塗ったりしても、コラーゲンの機能を再現することはできないといわれています。摂取したタンパク質をもとにして体内で生成する必要があり、生成の過程にはビタミンC (アスコルビン酸) が欠かせません。

コラーゲンを多く含む食品
フカヒレ
牛すじ
鶏の手羽先
鶏皮

鉄について

(出典:(32)ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量)
(出典:(33)食品成分ランキング)

鉄は血中ヘモグロビンを構成する成分であり、酸素運搬の役割を担います。血流の維持につながる成分のため、適切に摂取すれば毛髪を育てる栄養分が頭部に行き渡りやすくなるでしょう。

食品中の鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄に分類されます。一般的にヘム鉄は動物性食品に多く含まれ、非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれます。

ヘム鉄とは異なり非ヘム鉄はそのままでは体内に吸収されません。還元型に変化した後に吸収されます。

成人の1日の鉄分摂取推奨量は6.0~7.0mg、上限値は40~50mgです。鉄は日本人が不足しがちな栄養素とされるため、積極的に摂取しましょう。

鉄を多く含む食品 100gあたりの含有量 (mg)
バジル粉 120.0
タイム粉 110.0
赤こんにゃく 78.0
青海苔 77.0
乾燥ひじき 58.0
乾燥きくらげ 35.0
干しヤツメウナギ 32.0
あさり水煮缶詰 30.0
煎茶 20.0
豚のスモークレバー 20.0

オメガ3・オメガ6脂肪酸について

(出典:(34)三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量)
(出典:(35)食品成分ランキング)

オメガ3・オメガ6脂肪酸は三大栄養素である脂質の一種です。脂質はホルモンや細胞膜、核膜を構成し、ビタミンAやビタミンEなどの吸収をうながすことから、育毛や発毛に役立つと考えられます。

なかでも多価不飽和脂肪酸であるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、血中のコレステロールや中性脂肪を低下させる働きがあります。健やかな血流を保つことで、髪の成長に欠かせない栄養素を毛母細胞に届けてくれるでしょう。

どちらの成分もオイルに含まれることが多いです。成人の1日あたりの摂取推奨量は、オメガ3脂肪酸が1.6~2.2g、オメガ6脂肪酸が7~11gです。

オメガ3を多く含む食品 100gあたりの含有量 (g)
あん肝 100.00
えごま油 58.31
あまに油 56.63
乾燥チアシード 19.43
くじら皮 11.20
くるみ 8.96
なたね油 7.52
オメガ6を多く含む食品 100gあたりの含有量 (g)
サフラワー油 (ハイリノール) 69.97
ぶどう油 63.10
ひまわり油 (ハイリノール) 57.51
綿実油 53.51
とうもろこし油 50.82
大豆油 49.67
ラー油 42.75
くるみ 41.32
ごま油 40.88

ポリフェノールについて

(出典:(36)e-ヘルスネット 抗酸化物質)

ポリフェノールは抗酸化物質の一種で、活性酸素の生成や働きを抑え、活性酸素そのものを除去するのが大きな特徴です。老化や免疫機能の低下を抑える効果が期待できるため、年齢から来る薄毛対策に役立ちます。

ポリフェノールの代表例には以下のものが挙げられます。

  • イソフラボン・サポニン (大豆)
  • アントシアニン (ブルーベリー)
  • セサミノール (ゴマ)
  • ルチン (蕎麦)
  • カテキン (緑茶)
  • タンニン (紅茶・ウーロン茶)

なお抗酸化物質としてはポリフェノールの他、カロテノイドも有名です。カロテノイドには緑黄色野菜や果物に多く含まれるβ-カロテンやリコピン、鮭・ます・エビ・カニに含まれるアスタキサンチンがあります。

ポリフェノールを多く含む食品
大豆製品
ブルーベリー
ゴマ
蕎麦
緑茶
紅茶
ウーロン茶

髪のために避けたい食事は?

髪のために避けたい食事は以下の通りです。

  • 脂質が多すぎる食事
  • 甘いものの摂りすぎ

詳しい内容を説明していきます。

髪の健康を阻害する要因について詳しく知りたい方は、以下のリンク先記事も参考にしてみてください。

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健康な髪とはどんな状態?髪の成長に必要な栄養素やおすすめの食べ物を紹介

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脂質が多すぎる食事

(出典:(37)Obesity accelerates hair thinning by stem cell-centric converging mechanisms)
(出典:(38)若さを保つ食事学,(6)4.動脈硬化性疾患予防を目指した脂質異常症に対する食事療法update)

髪の健康のために脂質が多すぎる食べ物は避けましょう。

高脂肪食は毛包の機能を低下させ、最終的には脱毛症状を誘発するといわれています。

とくに肉に多く含まれる飽和脂肪酸は、血中コレステロールを増加させます。動脈硬化のリスクが上がり血管の老化につながる観点からも、脂質の過剰摂取はおすすめしません。

甘いものの摂りすぎ

(出典:(39)各種機能性を有する米発酵エキスの研究開発)
(出典:(40)The Association between Sugar-Sweetened Beverages and Male Pattern Hair Loss in Young Men)

甘いものの摂りすぎも髪のためには避けたい食習慣です。

糖分を摂りすぎると皮脂トラブルが発生し、頭皮をはじめとした皮膚の健康を損なう恐れがあります。加糖飲料を大量に摂取した場合、男性型脱毛症になるリスクが上昇するとの研究報告もあるため、砂糖の摂取はほどほどにしておきましょう。

髪によい栄養素を摂る際の注意点

髪によい栄養素を摂る際に注意しておきたいのが目的を誤らないことです。

たしかに栄養バランスに気を配れば育毛をサポートし、過剰な抜け毛や薄毛の予防に役立ちます。

しかし食事は薬ではありません。栄養を摂ったからといってすぐに薄毛が解消されたり、目に見えて髪が増えたりするわけではないことは覚えておきましょう。

今すぐ現状を変えることを過剰に期待するのではなく、将来を見越してコツコツ努力を続けるのが大切です。

栄養不足が髪に与える影響とは?

栄養不足が髪に与える影響は以下の通りです。

  • 抜け毛が増える
  • 若くても薄毛になる

具体的に解説していきます。

抜け毛が増える

(出典:(41)脱毛症 (脱毛) )
(出典:(42)ヘアケアの科学)

栄養不足になると抜け毛が増える場合があります。

髪はヘアサイクルに従い、一定周期で生え変わり続けています。成長期にある髪は毛根部分が太く育ちますが、毛母細胞へしっかりエネルギーが供給されないと、成長期が早期に終了して髪が十分に育ちません。

休止期毛が増えることで抜け毛が増え、薄毛の症状がみられるようになります。

また鉄や亜鉛の欠乏による栄養障害により、脱毛症状が引き起こされることもわかっています。栄養はバランスよく補うよう配慮するのが大切です。

若くても薄毛になる

(出典:(43)ヘアケアの科学)
(出典:(44)脱毛症 (脱毛) )

栄養不足の場合には誰でも薄毛になる可能性があります。毛母細胞へのエネルギー供給が不足すれば、ヘアサイクルが乱れて休止期毛が増えるためです。年齢や性別は関係ありません。

栄養不足から薄毛になる場合には、びまん性脱毛症が疑われます。

びまん性脱毛症は頭部の広範囲に薄毛や脱毛の症状が現れる病気です。毛周期が乱れ成長期の毛が減ったり休止期の毛が増えたりします。

薄毛トラブルの原因をつくらないためにも、日常的に十分な栄養を摂るよう意識しましょう。

栄養以外で薄毛を解消する方法は?

栄養以外で薄毛を解消する方法は以下の通りです。

  • 専門家に相談する
  • ストレスを発散する
  • 頭皮のダメージを減らす

それぞれ詳しく解説します。

専門家に相談する

薄毛を解消したいのであれば、専門家への相談を検討しましょう。

栄養不足が原因で起こる薄毛の場合には、栄養状態を改善すれば薄毛もよくなる可能性があります。しかし薄毛の原因は栄養不足だけではありません。

男性型脱毛症 (AGA) や円毛脱毛症をはじめとした病気が原因で薄毛になっている場合もあります。その場合には、栄養状態が良好でも薄毛や脱毛の症状が進行する恐れがあります。

気になる症状がある人は医師に相談し、自分の薄毛や脱毛の原因を正確に把握するのが大切です。原因に合わせて対処するよう留意しましょう。

ストレスを発散する

(出典:(45)画像解析によるマウスの体毛成長の評価)

ストレスの発散も薄毛の解消に有効な場合があります。

ストレスが蓄積すると、毛周期に悪影響をおよぼすホルモンや神経ペプチドの分泌が促進され、毛の成長が抑制される可能性があります。

オフタイムには休養をしっかり取り、趣味や興味のあることで気分転換を図るよう努めましょう。

頭皮のダメージを減らす

(出典:(46)低刺激性プロトタイプシャンプーの頭部皮膚疾患患者における使用評価—頭部皮膚疾患患者を対象とした臨床試験—)
(出典:(47)教育シリーズ: 皮膚をみる人たちのための化粧品知識 洗浄料とその作用)
(出典:(48)化粧せっけん及びヘアシャンプーの泡立ちとソフト感)
(出典:(49)ヘアケアの科学)

薄毛が気になる人は頭皮のダメージを減らすよう心がけましょう。

頭皮ダメージの蓄積によって皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの物理的刺激や化学的刺激に弱くなり、頭皮が乾燥したり炎症をまねいたりします。頭皮の健康状態が損なわれることでヘアサイクルが乱れ、薄毛につながる可能性が高まるでしょう。

頭皮ダメージを減らすためには、頭皮に負担のかかる行為をなるべく控えるのが大切です。シャンプーのしすぎや、短期間でヘアカラーやパーマを繰り返すことは避けましょう。

またシャンプーの方法も重要です。シャンプー時には適温のお湯を使用して、過剰な皮脂やシャンプー剤が頭皮に残らないようにしてください。薬用シャンプーや育毛シャンプー、アミノ酸系やベタイン系など刺激が少なく髪をいたわるシャンプー剤を使用するのもおすすめです。

ドライヤーの熱やブラッシング時の摩擦が頭皮ダメージにつながる場合もあるので、過剰なヘアケアは控えるよう努めましょう。

まとめ

髪は摂取した栄養分をもとに作られます。薄毛が気になる人はまず健康的な食生活に配慮してみてください。

薄毛の原因はさまざまです。食生活を改善しても薄毛に変化がない場合や、薄毛以外に気になる症状がある場合は、自己判断せず一度専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。

文献

1).e-ヘルスネット 厚生労働省
2).栄養と食糧 昭和37年8月2日
3).4).7).11).18).消費者庁
5).8).12).15).19).26).「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書
6).10).13).17).21).28).33).35).文部科学省 食品成分データベース
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14).粉砕 61巻 (2018) p.84-87
16).健康長寿ネット
20).健康長寿ネット
22).36).e-ヘルスネット 厚生労働省
23).農林水産省
24).国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト
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31).国立健康・栄養研究所
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34).健康長寿ネット
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38).農林水産技術研究ジャーナル/03879240/22巻8号/p. 31-37/1999年8月
39).J-STAGEトップ/化学と生物/57 巻 (2019) 2 号/書誌
40).Journals Nutrients Volume 15 Issue 1 10.3390/nu15010214
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45).川崎医療福祉学会誌 28巻 (2018) 1号 p.125-133
46).日本香粧品学会誌 41巻 (2017) 1号 p.15-22
47).日本香粧品学会誌 42巻 (2018) 4号 p.270-279
48).日本油化学会誌 42巻 (1993) 10号 p.768-774

監修者紹介

佐藤明男

佐藤明男
東京メモリアルクリニック理事長

■ プロフィール
1957年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。
1998年、厚生省(当時) 高度先進医療推進事業でオックスフォード大学医学部客員研究員として英国に国費留学し、帰国後、東京メモリアルクリニック・平山副院長を経て院長に就任。医療法人TMC理事長を兼任。これまで10,000人を超えるAGA(男性型脱毛症)患者を治療してきた実績を持つ、頭髪治療の第一人者。
■論文・出版情報
2007年 『医療的育毛革命』
2009年 『なぜグリーン車にはハゲが多いのか』

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