AGA治療完全ガイド　効果や期間は？途中でやめるとどうなるのかも解説！

「どのようなAGA治療があるか」「AGA治療の効果や期間はどれくらいか」など、AGA治療に対して疑問がある人も多いでしょう。

AGAの治療方法を知る前に、そもそもAGAとは何か、AGAの症状が出ているかどうかを理解するのも重要です。

この記事では、AGAの症状・仕組み・原因やAGAのセルフチェック方法、AGAの治療方法を紹介します。AGAや治療方法に興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。

AGA (男性型脱毛症) とは「Androgenetic Alopecia」の略称で、おもに男性ホルモンに起因して発症する男性に多い脱毛症です。

日本語では、Androgeneticは男性ホルモン、Alopeciaは脱毛症を意味しています。

AGAの直接的な原因は男性ホルモンですが、発症には遺伝や生活習慣などさまざまな要因が関わっていると考えられています。

AGAを発症すると、前頭部や頭頂部を中心に髪の毛が少しずつ薄くなります。

AGAが起こる原因は、男性ホルモンによるヘアサイクルの乱れです。ヘアサイクルは、髪の毛が成長する成長期・成長がゆっくりになる退行期・ストップする休止期の3段階に分かれており、通常2〜6年の周期で繰り返します。ヘアサイクルの成長期が短くなると、毛根を包む毛包が少しずつ小さくなり、生えてくる髪の毛が細く弱くなってしまいます。

ヘアサイクルの乱れに関わる男性ホルモンは、DHT (ジヒドロテストロン) です。DHTは、酵素の5αリダクターゼの働きによって、男性ホルモンのテストステロンが変化したものです。このDHTが男性ホルモン受容体と結びつくことで、ヘアサイクルの成長期が短くなります。

下記の記事で、AGAと男性ホルモンの関係をさらに深く解説しています。AGAの仕組みや原因を知りたい人はぜひご一読ください。

ウェブメディアの「LiTY」が20代〜60代以上の男性200人を対象に実施したアンケートによると、薄毛に悩んだ経験がある人は全体の92.5%、薄毛治療を行った経験があるのは52.5%でした。

年齢を問わず多くの男性が薄毛で悩み、治療を行っています。

(出典Q1,2　 全国の20〜69歳の現在薄毛の悩みがある男性に対する「2022年 薄毛調査」(累計対象数200人)より 株式会社アマナ 調べ)

また、薄毛に悩む20代〜60代以上の男性1,759人を対象に実施したアンケートによると、薄毛が気になり出した年齢は20代〜30代が46.5%、薄毛を改善したいと思っている人は89.5%でした。若い頃から薄毛に悩み、改善したいと思っている人はかなり多いようです。

これらのアンケート結果から、薄毛つまりAGAに対して多くの男性が意識していると考えられます。AGAは年齢とともに発症の可能性が高くなるため、年齢を重ねるほど意識する人が多くなるといえるでしょう。

抜け毛が増えたら注意？AGAのセルフチェック方法

ここからは、AGAのセルフチェック方法を紹介します。自分がAGAを患っていないか気になる方は、自分が下記の項目に当てはまっているかどうかチェックをしてみましょう。

・抜け毛の本数が異常に増えた
・髪の毛が細く弱くなった
・前髪の生え際部分が後退してきた
・頭頂部のつむじ部分が薄くなってきた

上記の症状は、AGAを発症すると現れる可能性があります。どれかひとつでも当てはまる場合は、できるだけ早く対策を行いましょう。

下記の記事では、AGAの見分け方を紹介しています。AGAのセルフチェック方法をさらにくわしく知りたい方はぜひ参考にしてください。

AGAの発症年齢には個人差があり、10代や20代の若年層でも症状が現れる可能性があります。

ただし、若年層で発症する可能性はあまり高くありません。AGAの発症頻度は年齢とともに高くなります。

AGAは、一度発症するとその進行を止められません。発症後は、頭皮の表面に髪の毛が確認できない状態まで進行し続けるのがAGAの特徴です。

ただし、治療薬によって進行を遅らせたり、発毛を促したりできます。初期の段階から治療を始めると改善の効果を実感しやすいといわれています。

AGAは、特定の部位から進行する脱毛症です。

主に、前頭部 (前髪の生え際) の両サイドからM字型に後退します。また頭頂部 (つむじ) からも薄毛が広がるのもよく見られる症状です。さらに進行すると、前頭部と頭頂部の薄毛がつながり、頭の上部全体の髪の毛が薄くなります。

前頭部や頭頂部で薄毛が目立つのは、男性ホルモン感受性つまり男性ホルモンの受け取りやすさが関係しています。

とくに前頭部には男性ホルモン受容体が多く存在するため、男性ホルモンを受け取りやすく、薄毛になりやすいです。

下記の記事では、AGAが進行する部分やAGAのタイプを解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

現在の医療では、AGAを完治させるのは困難です。しかし、治療でAGAの進行を遅らせたり、発毛を促したりできます。

AGAを改善する方法は、主に内服薬や外用薬を用いた投薬治療と、髪の毛を移植する植毛のふたつです。

AGAの発症が疑われる場合は、できるだけ早く治療を始めましょう。

薄毛があまり進行していない段階で治療を始める方が、治療の効果を得られるまでの時間を短く済ませられる可能性があるからです

AGAはヘアサイクルの成長期が短縮して起こるので、症状が進行すればするほど通常のヘアサイクルに戻るまでに多くの時間がかかってしまいます。

生え際やつむじなど、AGAの症状が現れやすい部分の薄毛が目立ち始めたら、すぐに治療や対策を開始しましょう。

ウェブメディアの「ザ・スタイルディクショナリー」が、AGA治療を3カ月以上続けている20歳～49歳の男性535名を対象に実施したアンケートによると、髪の毛が増え始めたと感じたのは治療開始から3カ月で38.9%、5カ月で63.8%でした。

個人差はありますが、多くの人が半年以内にAGA治療による効果を実感しているのがわかります。

治療開始からすぐに効果が出るわけではないので、長期的な治療を視野に入れましょう。

早期治療の場合

早期治療の場合、AGAがかなり進行している状態で治療した場合よりも早く効果を得られる可能性があります。

決して短い治療期間ではありませんので、すぐに効果を実感できなくても根気強く治療や対策を行うことが重要です。

AGAの主な治療方法は、内服薬と外用薬を用いた投薬治療と、髪の毛を移植する植毛です。

内服薬には、AGAの進行を遅らせる働きがあるフィナステリドまたはデュタステリドが使われます。フィナステリドはAGAの原因となる5αリダクターゼⅡ型の働きを阻害し、デュタステリドは5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の働きを阻害する成分です。

頭皮に塗る外用薬には、発毛を促す働きがある成分のミノキシジルが使われます。ミノキシジルは、AGAで短くなったヘアサイクルの成長期を延長させる働きがある成分です。

下記の記事でAGAの治療方法をよりくわしく紹介しているので、気になる人はぜひご一読ください。

AGAは髪の毛が現れなくなるまで進行が止まらないため、明確な治療期間はありません。

薄毛を改善したい・薄毛ではない状態をキープしたいなら、治療の効果が出た後も服薬を続ける必要があります。

AGAを発症してしまったら、長く付き合っていく必要があると理解しましょう。

AGAの治療期間を、下記の記事で解説しています。より深く知りたい人はぜひご覧ください。

フィナステリドによるAGA治療を途中でやめると効果が消失するため、再び薄毛が進み、元の状態に戻ります。デュタステリドの内服をやめた場合は、その後も効果が持続するかどうかはわかっていません。

ただし、AGAは少しずつ進行するため、治療をやめたからといって急に元の状態に戻るわけではありません。

治療を中止した後、急に薄毛が進行した場合は、AGA以外の脱毛症の可能性があるので注意しましょう。

治療を受ける人はどのくらいでゴールと考えている？

AGAの治療を受けている人は、それぞれ自分なりのゴールを設定している場合も多いでしょう。あらかじめゴールを設定しておくと、それに合わせて治療を進められます。

たとえば、下記のようなゴールが挙げられます。AGA治療のゴールを決める上での目安にしましょう。

・今より少しでも髪の毛を増やしたい
・今ある髪の毛を維持したい
・薄毛を気にしなくてよい年齢になるまで続けたい
・子どもが学校を卒業するまで続けたい

自分が納得するゴールを設定し、自分のペースで治療を進めていくとよいでしょう。

まとめ

AGAは、男性ホルモンによるヘアサイクルの乱れで引き起こされます。遺伝的な要因が大きく、進行を抑えるためには薬などを用いた対策が必要です。

「生え際が後退してきた気がする」「つむじの部分が薄くなってきた」など、AGAによる薄毛の症状が少しでも疑われる場合は、薄毛が進行してしまう前にできるだけ早く対策を検討しましょう。

この記事を読んで、AGA治療に関する不安や疑問の解決に役立ててください。
　

文献

1).3).6).7).8).11).16).18).19).日本皮膚科学会雑誌 127巻 (2017) 13号 書誌
2).13).日本香粧品学会誌 42巻 (2018) 2号 p.93-97
4).繊維製品消費科学 28巻 (1987) 6号 p.219-226
5).株式会社nabo LiTY PRTIMES
9).順天堂医学 「特集 脱毛性疾患の病態と治療」37巻 (1992) 4号 p.572-586
10).炎症・再生 24巻 (2004) 2号 p.118-120
12).17).日本薬理学雑誌 119巻 (2002) 3号 p.167-174
14).THE SUIT COMPANY ザ・スタイルディクショナリー
15).日本薬理学雑誌 127巻 (2006) 6号 p.495-502
　
※アンケート概要
調査手法 : 外部インターネット調査による、amana調べ
配信 : モニター登録者のうち、男性20代〜60代を抽出し、配信。回答を募る
エリア : 全国
スクリーニング数 : 1,759人（薄毛に悩みを持つ方）
期間 : 2022年3月25日〜3月28日
サンプル数 : 200人