監修者紹介
- 佐藤明男
- 東京メモリアルクリニック理事長
さとう美容クリニック院長, 北里大学医学部客員教授, 日本形成外科学会専攻医, 日本臨床毛髪学会理事, 日本先進医師会特定認定再生医療委員会委員長, SKIファーマ株式会社副社長
頭髪に関する内科治療と外科治療まで幅広く実践し、毛髪研究、教育も積極的に行っている。
薄毛が気になってくると、どのような髪型にしてよいのか分からないためストレスを感じる方もおられるでしょう。薄毛を隠すために長髪にする方もおられるかもしれません。
本記事では薄毛でも、女性に好感をもたれるメンズのヘアスタイルとはどのようなものかを学べます。キーワードは清潔感です。清潔感ある髪型にする4つのポイントを説明します。
薄毛をなるべく目立たせないために、今すぐできるヘアセットやヘアスタイルもご紹介します。
目次
薄毛を隠そうとして長髪にするのはNG!女性に好感をもたれるメンズのヘアスタイルとは
薄毛の人の長髪は逆に目立つ!
薄毛が気になり始めると薄い部分を隠したいので、長髪にする方もおられるでしょう。
しかし長髪にして薄い部分を隠してしまうと、薄い部分と髪が厚い部分とのアンバランスが生じてしまいます。また長髪にすると汗をかいたときに、髪が束になり脂っこい見た目になるため清潔感がなくなるでしょう。
そうなると他の人の目線は隠したい部分に、どうしても目がいってしまいます。悪目立ちしないためには長髪ではなく、思い切って短髪にしましょう。
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短髪は清潔感があり好感を持たれやすい!
女性が好感を抱く髪型は圧倒的に短髪です。短髪にすると清潔感があり、さわやかなイメージを醸し出せるため、好感を持たれやすくなるでしょう。
反対に男性の長髪は清潔には見えず、かえって不衛生に見られがちです。
もちろん長髪でもきちんと手入れをしていれば清潔感を出すことも可能ですが、毎日のお手入れが面倒と思う方はやはり短髪がおすすめです。
短髪にすると薄毛と短髪の境目が分かりにくくなるメリットも
短髪にするとトップにボリュームが出ますし、毛髪の流れを上手に用いることで薄毛と髪が短い部分の境目が分かりにくくなります。
長髪にしてしまうとトップが髪の重さや長さで潰れてしまったり、脂で束になってしまったりして、薄毛が目立ってしまうデメリットがあります。
それでも短髪にするには多少抵抗があるという方は、短髪でも少し長めのサイズにカットし残しつつ、ワックスなどでスタイリングするとさらに薄毛は目立たなくなるでしょう。
薄毛の人が短髪にする際の4つのポイント
サイドや襟足のボリュームを抑える
薄毛が気になる方の中には、サイドは髪があるのにトップが薄くなっているパターンもあるでしょう。そのようにサイドが長くてトップが薄いと、薄毛がより目立ってしまいます。
そこでサイドや襟足のボリュームを抑え、トップよりも短めにカットしましょう。そうすることで、髪全体がボリュームアップしたように見えます。上手に目の錯覚を取り入れてください。
サイドを短くすることで、おしゃれで清潔感のある印象を与えるでしょう。
毛の流れを一定にしない
髪の毛の流れを一方向にすると、薄い部分が悪目立ちします。そのため今生えている髪の毛の流れを上手に用い、無造作に散らしてください。
短い髪型の方の中にはスタイリング剤などをつけず、乾かしてそのままで外出される方もおられます。何も手入れしなくてもいいのが短髪のメリットですが、薄毛が気になる方はワックスを使用する必要があります。
ワックスを手に取り、薄いと感じる部分には気持ち多めに髪を集め、さっと髪の表面を撫でながら自然な動きをつけていきましょう。
思い切っておでこを出す
薄い部分を隠そうとして前髪を作る人もいますが、その髪型は薄毛をさらに目立たせることになります。人は隠している部分が気になり、見たいという気持ちにかられるからです。
そこで額をあえて見せることで、人の視線を額にもっていきましょう。ワックスやスプレーなどを使い、前髪を立たせたり、後ろに流したりしてください。
薄毛の人におすすめのヘアスタイル
ソフトモヒカン
薄毛の方におすすめのヘアスタイルはソフトモヒカンです。通常のモヒカンはトップを長く残しつつサイドを刈り上げかなり短くしますが、ソフトモヒカンはトップの部分も短めにカットするスタイルです。
縦にボリュームが出るスタイルになりますので、薄毛が目立ちにくくなります。全体にまとまりがあるため、清潔感がある印象になるでしょう。
しかし額が広い男性は、薄毛が目立ってしまう可能性がありますので注意しましょう。
ショートヘア
ショートヘアとは名前の通り、髪全体を短く切った髪型のことです。ある程度の長さはあるため、スタイリング次第で薄毛部分を隠して、自然に見せられます。
スタイリングに時間はかかりませんが、何もしないと薄い部分はそのままです。目立たせないためには、髪全体を濡らし根元が立ち上がるようにしっかりドライヤーで乾かします。乾いた後にスタイリング剤を手に取り、髪全体に馴染ませて、髪に動きをつけましょう。
オールバック
オールバックとは伸ばした髪の分け目を作らず、髪の毛全体を後ろに撫で上げる髪型です。どんな年齢の方でも挑戦しやすいためおすすめです。
おでこをしっかり出すスタイルになるため、人の視線を髪からおでこにもっていけます。また顔周りもスッキリして見えるので明るいイメージになり、男性からも女性からも好印象を得ることでしょう。
薄い部分にはスタイリング剤を上手に用いながら、ふんわりとしたスタイルを心がけてください。
ツーブロック
ツーブロックはソフトモヒカンに似ている髪型ですが、トップとバッグの髪の毛をソフトモヒカンより長めにするヘアスタイルです。
サイドを刈り上げるため、長さがあるトップの部分との対比ができます。その結果トップにボリュームがあるように見えます。トップの毛先を遊ばせてあげたり、パーマをかけたりすることによりおしゃれ感が出せるでしょう。
誰でも似合う髪型ではありますが、前髪の薄毛は目立ってしまう可能性があるので注意してください。
おしゃれ坊主
坊主というとバリカンで髪全体を均一に短く揃える髪型のイメージが強いでしょう。薄毛を気にしている方におすすめしたいのはただ単なる坊主ではなく、おしゃれ坊主です。
おしゃれ坊主とはトップが2cmサイドは1cmほどと、一般的な坊主よりも気持ち長めの髪型です。
朝のセットに時間をかけなくてすみますし、伸びてきたらバリカンで簡単にセルフカットできるので、スタイリングに時間をかけたくない方はぜひ挑戦してみてください。
薄毛の人は絶対に避けるべきNGな髪型
センター分け
薄毛の人が避けるべき髪型の一つにセンター分けがあります。
無理に髪を伸ばしセンター分けにしてしまうと、髪がある部分と薄い部分の差が生まれ、薄毛が目立ってしまうでしょう。
どうしてもセンター分けにしたい方は、なるべく短めにしてください。
ボブ
耳に髪がかかるくらいの長さに切りそろえたボブは全体的に髪の動きがないため、ボリュームがつきにくく薄毛の方には避けていただきたい髪型です。
どうしてもボブにしたい方はトップにパーマをかけて、全体的にふんわりとさせるのがポイントです。
必見!薄毛を隠すスタイリング方法
ドライヤーを使ってベース作り
短い髪だとドライヤーを使用せずに自然乾燥させる方もおられると思います。
ドライヤーを使用しないと、短い髪でも寝癖がついてしまうこともありますし、自然乾燥は髪を守ってくれるキューティクルを破壊するため抜け毛の原因にもなります。
抜けにくい髪を作り、薄毛を上手に隠すためにもドライヤーを使用しましょう。短い髪だと乾かすのも簡単ですから、忙しい朝でも大丈夫です。頭皮は繊細のため低い温度でドライヤーをかけ、30cmほど離して使用してください。
スタイリング剤で理想の髪型に
ドライヤーで乾かした後、何もしないでそのままにしていると薄い部分は隠れません。そこで重要となってくるのがスタイリング剤です。
スタイリング剤は髪に動きを出したいとき、トップにボリュームを出したいとき、前髪を立ち上げたいときなどに役立ちます。理想の髪型に整えたらスタイリング剤で、その形をキープさせましょう。
スタイリング剤によってかっちりと固めたり、動きを出しながらふんわりと固めたりします。ワックス、ジェル、ムース、スプレータイプがあります。
スタイリング剤の選び方
ワックスタイプは髪に動きを出したいときに使用しましょう。手直しが簡単にできますが、ベタつきやすいのでつけすぎには注意が必要です。
かっちりと固めたいときにはジェルやムースタイプがおすすめです。どちらも固くまとまるため風の強い日でも心配はいりませんが、手直しがしづらいのでセットの際には注意してください。
スプレータイプは理想の髪型に整えてから使用できるので、やり直しがききます。ただしスプレーしてからは変更できません。
スタイリング剤を使う際の注意点
(出典:(1)ヘアケアの科学)
スタイリング剤は理想の髪型に近づくために欠かせないものですが、注意しなければ薄毛を悪化させてしまう危険があります。
スタイリング剤には多くの油分が含まれています。頭皮についてしまうと、その油分が毛穴に入りふさいでしまうのです。ふさがれてしまった毛穴は雑菌が増えやすくなり、薄毛を助長することになります。
スタイリング剤は頭皮につかないよう注意を払いつつ、適量を使用するようにしましょう。
スタイリング剤を落とさずそのまま寝てしまうと頭皮の炎症やフケ、痒みなどのトラブルになりかねません。毎晩の入浴時にはシャンプーを必ずして、スタイリング剤を落とすようにしましょう。シャンプー前にブラッシングするなら、スタイリング剤がついてもつれている髪の毛をほどき、しっかり汚れを落とせます。
薄毛の根本を改善することも重要
(出典:(2)髪の健康を考える〜美しい髪で過ごすには〜,(3)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版 ヘアケアの科学)
薄毛を隠すためにできるヘアスタイルを学んできましたが、やはり1番大切なのは薄毛の根本原因を見極め、改善することです。
血行不良を引き起こし抜け毛が増える原因である、ストレスや不規則な生活を改める必要があるでしょう。例えば定期的な運動を心がけたり、髪の主成分であるタンパク質や亜鉛を食事から取り入れたりしてください。
また育毛シャンプーや育毛剤は、薄毛に特化した成分がたくさん配合されていますので上手に取り入れていきましょう。
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薄毛の人におすすめのヘアスタイルに関するまとめ
薄毛でもおしゃれにみせるためのヘアスタイルを学べました。
ポイントはサイドや襟足のボリュームを抑えること、毛の流れを一定にしないこと、トップに動きをつけること、思い切っておでこを出すことの4つです。こうしたポイントを踏まえてできるヘアスタイルと、避けたい髪型がいくつかありました。
どの髪型を選ぶとしても、大切なのは清潔感であることを忘れないでください。上手にスタイリング剤を用いつつ、おしゃれを楽しんでいきましょう。
文献
1). 講座(シリーズ) “変わる”生活と消費科学 9
2). 植木理恵:都民公開 講座アンチエイジング 順天堂醫事雑誌.2013:59 :P. 327〜330
3). 日皮会誌:127(13),2763-2777,2017(平成 29) P.2763~2777
監修者紹介
- 佐藤明男
- 東京メモリアルクリニック理事長
■ プロフィール
1957年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。
1998年、厚生省(当時) 高度先進医療推進事業でオックスフォード大学医学部客員研究員として英国に国費留学し、帰国後、東京メモリアルクリニック・平山副院長を経て院長に就任。医療法人TMC理事長を兼任。これまで10,000人を超えるAGA(男性型脱毛症)患者を治療してきた実績を持つ、頭髪治療の第一人者。
■論文・出版情報
2007年 『医療的育毛革命』
2009年 『なぜグリーン車にはハゲが多いのか』